韓流動画広告特集
- #Case study
LG・Galaxyなどが海外で制作しているクリエイティブではなく、あえて「韓国国内」のドメスティックな体制で制作された作品に今回は絞って紹介していきたい。
①Hyundai(韓国/自動車)
タイトル:Chatty School Bus
内容:
遠くの学校に通わざるを得ない「耳が不自由な子供達」にとって、片道2時間ものバスは、一日の中で最も退屈な時間。
Hyundaiは、そんな彼らのために通学時間を楽しく過ごせる画期的な仕掛けを開発した。
主人公の男の子がいつものようにバスの中で退屈していると、
突然窓ガラスに亀のキャラクターが現われて「やあ!」と
話しかけてきた。
この窓はインタラクティブなディスプレイに
なっており、絵や文字を表示したり書くことができる。
また、他の座席の友達にメッセージを送って、チャットしたり、
搭載されたカメラで自分の写真を撮って親のスマホに
送信することも可能。
このアイディアはHyundaiの開発チームが、幼い頃にガラスに息を吹きかけて、絵を描いて遊んだ経験から思いついたという。使っているテクノロジーは最先端なのに、暖かくフレンドリーな世界観を生み出す、その「ギャップ」が素敵。
尺:4分47秒
2018年 カンヌライオンズ「ブロンズ」受賞
②KLMオランダ航空(韓国/外資航空)
タイトル:Memorable experience with KLM
内容:
韓国国内のとある病院を舞台に、KLMオランダ航空は闘病生活を余儀なくされている子供達のために笑顔を届けるプロジェクトを実施した。
小児病棟に現れた犬とうさぎのマスコットが、子供たちを屋上へと誘導すると、
そこには双眼鏡型のVRマシーンが置かれている。子供達がそれを覗き込むと、声が聞こえてくる。
「こんにちは!今からあなたを特別な場所にお連れします。準備はいいですか?」
KLMの就航都市の中から希望の場所を選んでボタンを押すと、目の前いっぱいにその光景が展開。
そしてスタッフはマイクで子供たちと会話ができる仕掛けになっている。
「本物のビッグ・ベンは、たぶん君が思っているよりも100倍くらい大きいよ。」みたいな・・・
病気の子供たちに、世界各地の魅力をリアルに伝えるそんな心温まる取り組みと言える。
尺:1分43秒
③GS Caltex(韓国/石油)
タイトル:Energy that changes the world
内容:
コールセンターのカスタマーサポート業務は商品やサービスに関する問い合わせへの応対が主な業務だが、顧客の中には電話越しに罵声を浴びせたり、オペレーターが女性だとわかると卑猥な言葉を発する人もいて、ストレスの高い仕事として知られている。
そこで、GSカルテックスは、オペレーターたちの労働環境を改善するため、コールセンターの呼び出し音を従業員の家族の声にする取り組みを行った。
「優しくて、働き者の私の娘がご案内します。」
「私の愛する妻が担当させていただきます。」
「世界で一番大好きなママが電話に出ますから、
ちょっと待ってくださいね。」
こんな感じの声をコールセンターの呼び出し音に設定し、電話をかけてきた人に、オペレーターに繋がるまでの間聴いてもらったところ、電話越しのオペレーターも、誰かの娘、誰かの妻、誰かの母親なんだ・・・ということを相手に思い出させ、多くの顧客の心に変化をもたらした。
「お疲れさま」「ありがとう」といった声がけが増えて、女性社員のストレスレベルは54.2%も減少したという。
そして映像の最後は「世界を変えるエネルギーは、私たちの中にある。」というコピーが決まる。
家族を何よりもを重んじ、大切にするという想いが伝わる、そんな心温まるキャンペーン。
結果:
1日で200万ビューを記録
20万のエンゲージメントを獲得
様々なメディアでも紹介され、大きな反響を獲得
まとめ(企画の傾向・ポイント)
1
韓国が得意とするエレクトロ二クスを応用したデバイスによって、エモーショナルな感動体験を生み出すプロモーションが目立つ。
2
子供や家族を広告の力で幸せにするタイプのクリエイティブが注目を集める傾向がある。
3
理屈ではなく、人の感情に対してダイレクトに働きかける施策が多い印象。
今回は取り上げていないが、純粋に表現がカッコイイ!
世界観が美しい!
そんなエモーショナルなクリエイティブにも魅力を感じる。