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COVID-19に立ち向かう

  • #Case study

今、世界中がCOVID-19の猛威にさらされ、人類史に残る未曾有の事態を引き起こしています。人々の日常は変わり果て、制限された生活を余儀なくされているのが現状です。
そんな中で、私たち右脳事件は一体何ができるのでしょうか?広告だけでなく様々な映像表現を通して、今だからできること、これから求められるであろう表現について模索していくために、今回はCOVID-19にまつわる様々な事例を考察していきます。

①Kurzgesagt(Youtubeチャンネル)

タイトル:
The Coronavirus Explained & What You Should Do

 

内容:
アニメーションを使って科学のさまざまな不思議をわかりやすく解説するKurzgesagtが、「COVID-19とは何か&あなたは何をすべきか」というムービーを公開しました。

 

 


様々なニュースやサイトで、COVID-19とはどのようなウイルスなのか、どうやって感染するのか、感染するとどうなるのか、どうすればいいのか報じていますが、これほどまでに分かりやすく詳細な映像は、今の所これ以上のものはないように思います。


安易に恐怖を煽るのではなく、詳細な情報も伝えることで単なる警鐘に陥らない、現在の社会においてとても有意義な動画なのではないでしょうか。

 

②Volvo Trucks(ブラジル/自動車)

タイトル:On the Road for Everyone
 

内容:
COCID-19下における、ボルボ・トラックスのキャンペーン動画。

 

 


こちらのクリエイティブを担当したエージェンシーSoWhatは「Heroes of the Road」と言うキャンペーンを立ち上げました。
ボルボ・トラックスはこのキャンペーンで、「歴史を作ることとは、誰もが立ち止まらなければならなかったときでも、前に進むことである」と提案し、薬や食料、そして何よりも世界が止まらないことを願うトラック運転手の使命を想起させます。


なおこのキャンペーンはブラジル市場向けに企画されたものですが、ボルボ・トラックスは、「距離があっても、何千人もの人が一緒に走っている」などのメッセージを載せて、他の言語や国への展開を要請しています。


世界中が感染を警戒する中、多くの企業や住民が在宅を心がけています。
しかしそのような状況でも、現場でなければ仕事がままならない、そして世界中の人々の生活を守るために外で仕事をしている方々がいます。


そんな人々をボルボ・トラックスは、「路上の英雄」と称え、サポートする姿勢を世界中に宣言したのです。しかしそのような状況でも、現場でなければ仕事がままならない、そして世界中の人々の生活を守るために外で仕事をしている方々がいます。
そんな人々をボルボ・トラックスは、「路上の英雄」と称え、サポートする姿勢を世界中に宣言したのです。
なお、同様の映像はドミノ・ピザも制作しています。

 

③Jack Daniel's(USA/アルコール飲料)

タイトル:With Love, Jack
 
内容:
COVID-19下におけるソーシャルディスタンスについて描かれる動画。

 

 


この動画は、COVID-19下で推奨されるソーシャルディスタンスの様々なあり方を提示しています。


様々な手段の中でも特にテレビ電話によるコミュニケーションは、今や日常の一部として多くの人々に受け入れられています。
Vodafoneも同様のCMを制作。


もはや距離は関係なく、テレビ電話は人々の距離を埋めるツールとして、人々はこの困難の中、想像力を駆使して様々な新しい使い方を開発しているのです。


日本でも、オンライン飲み会が流行の兆しを見せているように、今後COVID-19をきっかけに、人々の関わり方が再考されていく可能性もあるかもしれません。

 

Buffalo Wild Wingsでは、自宅でできるスポーツを推奨。

 

南アフリカの小売店、Pick n Payはソーシャルディスタンスを保ちながら複数のアーティストで歌を数珠つなぎ。

 

日本でも星野源さんがやっていて大盛り上がりでした。
しかもこちらはどんどん輪が広がっていき影響力の大きさがよく分かります。

 

 

個人的にはゆりやんレトリィバアのコラボが好きです。

https://www.instagram.com/p/B-nyFuKFQ9E/?utm_source=ig_web_copy_link

④Doner(USA/広告代理店)

タイトル:When the Motor Stops

内容:
ミシガン州デトロイトを舞台に、誰もいない街を通して、人々の一体感を表現している動画。

 

 


この動画は、デトロイトの人通りの多い地域が一掃されていく様子を映し出しています。ダウンタウンの看板には、
“We love you, Detroit “や “We will get through this together. ”
など連帯感を表すメッセージが掲げられています。


そしてナレーションは、通りの空虚さがいかに不自然かを伝えています。
ビデオは集団的孤立を一体感の表れとして特徴づけ、「恐怖の名の下に止まらず、愛の名の下に止まる」という痛烈なメッセージで締めくくられています。


Donerはこの動画を週末に撮影し、無事に制作しました。代理店の社内ディレクターが一人で撮影し、編集者が自宅からリモートでカットして完成させたそうです。声優は自宅のクローゼットで録音しました。


IKEAは逆に室内での過ごし方にフューチャーし、今だからこそ自宅での時間を大切にして、家族を、周囲の人々を守ろうと言うメッセージを訴えています。

 

 

また、インドのエージェンシーBrainspun Filmsは、COVID-19を第3次世界大戦になぞらえ、迫りくる感染の恐怖を銃声や爆撃音として表現し、感染という見えない恐怖を人々に分かりやすく伝えようとしています。
そして感染が忍び寄る中で私たちにできることは、「踏み止まって、闘う」ことだとメッセージを伝えようとしているのです。

 

 

そしてFacebookでは誰もいない街と、様々なSNSに投稿されたリアルな状況を通して世界の困難な現状を伝え、「お互いを見つけられれば迷うことはない。」「助けが必要な時や提供できる時は、フェイスブックのCOVID-19サポートページへ。」とユーザーに手を差し伸べています。

 

 

まとめ

この未曾有の事態の中で、多くの企業やエージェンシーは、いわゆる「警鐘」動画を多く制作しています。

手はこうやって洗おう、うがいをしよう、他人とは2mくらいの距離を空けよう、自分だけでなく家族や周りの人々を守るためにも家にいようなど、ワクチンが見つからない今、できるだけ感染を予防し拡大させないための行動が世界中で求められています。

日本でも嵐がオリジナルの手洗いソングをYouTubeで発表するなど、これらの運動はどんどん広がりを見せています。

 

 

また大手エージェンシーのMcCanは、ハリウッド俳優のケビン・ベーコンを起用してStay Homeを促すなど、枚挙にいとまがありません。

#IStayHomeFor

 

 

さらに、多くの学校が閉鎖され、オンラインによる自宅学習がスタートしたアメリカの大学では、現在ゲームソフトの「マインクラフト」を使い、閉鎖した自分の大学をマインクラフト上で再現するという、運動が盛んになっているようです。

 

 

https://www.theverge.com/2020/3/31/21200972/college-students-graduation-minecraft-coronavirus-school-closures

 

 

 

 

 

右脳事件の案件でも、多くのイベントが中止を余儀なくされる中、「配信」という手法に切り替わっていったのも記憶に新しいです。

もしかしたら今後、COVID-19の蔓延によりバーチャルと人類の接点が加速度的に増えていくのかもしれません。

今だからこそできること、企業や世の中から求められていること、そしてCOVID-19が収束後、渦中の最中どんなことをやったのか振り返った時に、企業や世の中から評価され得ることなのか。

以上の点について、各企業やエージェンシーはフォーカスしているように思えます。

実際に今、COVID-19に対して起こしたアクションをすぐビジネスに直結させるのは難しいかもしれません。

しかし事態収束後など長期的な観点で物事を考えると、今何かしらCOVID-19に対してアクションを起こすことは、その後の利益だけでなく、社会的にも大きな意義を持っているのではないでしょうか。

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