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COVID-19に立ち向かう PART3

  • #Case study

未だ終わりの見えないCOVID-19が蔓延する世界ですが、日本国内では徐々に感染者の数も低下し、出口が見えつつあります。
(そもそもPCR検査の数が低すぎるので断定はできませんが…。)
しかし、世界に元通りの日常が訪れるのはいつなのか、まだワクチンが開発されていない現状では定かではありません。
もしかしたらCOVID-19が去った未来では、今までとは少し異なる生活様式が人々の間に浸透しているのかもしれません。

このような状況で、家の中での生活を楽しめている人もいれば、逆にストレスを溜めている人もいることでしょう。
そこで今回は、ストリートが主戦場である自動車業界のプロモーションにフォーカスしてご紹介します。

①トヨタ(イギリス/自動車メーカー)

タイトル:
Heroic Medal


内容:
トヨタ自動車が選ぶ、今年の金メダルは…

 

 

トヨタ自動車は東京2020オリンピックのワールドワイドパートナーですが、

その東京2020オリンピックは残念ながら延期となってしまいました。

本来今年アスリートたちが勝ち取るメダルも、

持ち越しになってしまいました。

アスリートたちは、今年はオリンピックで記録を更新することもできません。

では、今年メダルを受け取る人はいないのか。

この新型コロナウイルスで世界が揺れている中で、

最前線の現場で私たちを守っている人たちに贈りましょう。

そう、世界中の医療関係者たちです。

今年は彼らが、「彼らみんなが金メダルです」と、

トヨタ自動車は自社のプロダクトではなく、

世界中で闘っている医療関係者にスポットを

当てたプロモーションを制作しました。

このようなプロモーションをするに至った要素の

一つなのかもしれません。

また、近年のトヨタ自動車が、

「人」が中心の未来を創造しようとしている点も、

このようなプロモーションをするに至った要素の一つなのかもしれません。

②FIAT(アルゼンチン/自動車メーカー)

タイトル:
Reverse
 
内容:
FIATが伝える、変わらないメッセージ
 

 

タイトル通り、

既成のCMを組み合わせて逆再生したこちらのCM。

FIATは、

「私たちの習慣、関わり方、共有の仕方は変わるかもしれません。

しかし、決して変わらないのは、

私たちが目指す場所に到達するための最良の方法を常に探している、

私たちのエネルギーです。」というメッセージを込め、

CMのラストで「今日はまた別の道を歩もう」と締め括っています。

道路を目指す場所に到達するまでの道に見立てることで、

「Stay Home」を促しながら企業としての

メッセージを打ち出すことに成功しています。

 

 

※ちなみに自動車メーカーではありませんが、既成のCMを使った逆再生もののCMではこんな物もあります。

 

 
こちらは逆再生前

 

③HONDA(ドバイ/自動車メーカー)

タイトル:
Honda #StayHome

 

内容:
ホンダによる、今だからできるチャレンジングな新型CIVICのCM

 

 

ホンダいわく、

おそらく世界初と宣言されたこちらのCM、

ぱっと見では普通の自動車のCMにも見えます。

しかし、表示されるコピーがなにやら変です。

(アイデアや脚本を)書くのも、監督するのも、

編集も、そして見るのも、全て家。

そして最後に映る車のドアを閉めるのは、大きな手。

自動車がミニカーだったのです。

今まで映っていた自動車の映像、全ても。

映像では、「いつかまた外で自由にドライブできる日を願って」と締め括られています。

「挑戦」を続ける企業であるホンダらしいプロモーションです。


ちなみにホンダは、以下のようなお家プロモーションも展開しています。
https://www.adsoftheworld.com/media/film/honda_never_stop_dreaming


「Never Stop Dreaming」と題されたこちらのプロモーションは、寝具・衣服・レコード盤を、それぞれダカールラリーのコースや、自由な直線の道、MotoGPの最速ラップに見立てています。自粛に伴う困難な日々の中、物事の側面を創造的に見ることで「夢を見続けよう」と、ホンダのバイクユーザーを勇気付けています。

まとめ

基本的にはどのメーカーも、「Stay Home」を掲げていることに違いはありません。しかし、既成のCMを流用したり、自動車が全く登場しなかったり、撮影は全て家で行うなど、様々な側面からの視点で展開する工夫が見られます。

今回紹介した事例の他にも、自動車オイルメーカーのカストロールは、F1やMotoGPのレーサーとエンジニアを起用したお家プロモーションを制作したり、

 

 
Audiはゆったりとした禅的な長尺のドライビングムービーを制作したり、

 

 
Hyundaiは人気がなくなった都市を舞台に、野生動物が街中を闊歩する様子を通して、COVID-19収束後は、

「汚染が減少した新しい世界を守ろう」と、環境を意識したメッセージを送っています。

各メーカーは、ただ単に今までとは異なる視点のプロモーションを展開しているのではなく、ブランドパーパス=ブランドの存在意義を元にプロモーションを展開しています。

社会に対するメッセージが重要な局面だからこそ、ブランドの存在意義が浮き彫りになっていくのです。

 

 
「なぜこのブランドは世の中に存在しているのか?」について考えながら見てみるのも面白いかもしれません。

※ブランドパーパスは、ソーシャルグッドと混同されやすいので注意が必要です。

 

参考動画 サイモン シネック: 優れたリーダーはどうやって行動を促すか

 

Planner

TANAKA502

田中502

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