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プラスチックゴミに関する啓蒙広告

  • #Case study

今月からレジ袋の有料化がスタートしました。
実はプラスチックゴミ全体に占めるレジ袋の割合はたったの2%にすぎないということをご存知でしょうか?
政府は次のように発表しています。
「普段何げなくもらっているレジ袋を有料化することで、それが本当に必要かを考えていただき、私たちのライフスタイルを見直すきっかけとする」
つまりこれは、大規模な国による"無期限の啓蒙キャンペーン"というわけです。だとすれば、他にもっと良いやり方があったかもしれません。
そうした問題意識から、プラスチックゴミに関する海外の啓蒙広告を今回は取り上げていきたいと思います。

①WWF世界自然保護基金(マレーシア/環境保全団体)

タイトル:
Your Plastic Diet
 
内容:
プラスチックによる海洋汚染の現状を可視化することで、問題意識を投げかける。

 

 

廃棄物となったプラスチックは食物連鎖を通じて、また飲料水や空気中に混じって私たちの体内に取り込まれている。映像では1週間で5gのプラスチックを取り込んでいるということを、同じ重さのクレジットカードを食べようとしているクリエイティブによって、その危険性を伝えることに成功している。

 

②Hyundai(スペイン)

タイトル:
Eco Parking
 
内容:
海に捨てられる1年間のプラスチックごみによって、150万匹もの海洋生物が毎年命を落とすと言われている。地球規模の問題となっている海洋汚染問題について、人々に考えてもらうため、ビーチの駐車場を舞台にキャンペーン展開した。

 

 

砂浜に落ちているペットボトルを拾い、パーキングに設置されたマシンに入れると、

お金代わりに駐車料金が支払える駐車場を作ったところ、25人が1年間に消費する量のペットボトルをたった1日で回収できたという。

自然保護の大切さを説くだけでなく、それを実践する人に対してメリットがある方法を実践したことが大きな成果をもたらした。

③Land Rover(イギリス/自動車)

タイトル:
Waste to Waves Surfboard
 
内容:
ランドローバーがサーフボードを作るプロジェクトを記録したもの。

 

 

ランドローバーは、デザイン開発に使われた1/1モックアップの発泡ウレタンをサーフボードへと生まれ変わらせるプロジェクトを実施し、海における環境保護の必要性を“象徴的なドキュメント映像”としてまとめ上げることで、話題性の獲得に成功した。

④Plastic Oceans UK(イギリス/環境保護団体)

タイトル:
Future Fish&Chips
 
内容:
未来のフィッシュ&チップスを提供するレストラン。

https://www.dandad.org/awards/professional/2019/impact/232363/future-cish-and-chips

ファーストフード店に隠しカメラを設置し、プラスチックのフライを魚の代わりに提供するドッキリを仕掛けるプロモーションを通じて、「このままでは2050年までに海には魚よりもプラスチックの量が多くなってしまうこと」、「多くの生き物がエサと誤ってプラスチックを食べてしまっている事実」を訴え、この乱暴な施策はSNSを介し、多くの人に拡散された。

まとめ

レジ袋有料化の目的が「ライフスタイルを見直す気付きを与えること」だとすれば、その手段は一つではありません。

“ビニール袋に対してお客様からお金をもらう”という施策がある一方、“プラスチック容器をリサイクルする対価をお客様に付与する”というアプローチがあったかもしれません。

プラスチックの削減という「問題の本質」にまずは目を向けた上で、様々なアプローチ手法を試みる柔軟さがどうやら私たちの政府には不足しているように思えてなりません。

Planner

TANAKA502

田中502

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