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ブランドカルチャー(人格)を表明する

  • #Case study

【ブランデッドコンテンツ特集 Vol.05】

企業とブランドについて、様々な観点から考察していくブランデッドコンテンツ特集の第5回目。
消費者をファンに変える広告とは一体なんなのでしょうか?
社会的に良いことをしている?やってることが新しい?面白い?賛同できるメッセージを発している?
どれも必要な要素だと思います。
ですがその前提として企業の人格が分からないことには、どんなメッセージを発し、姿勢を現そうにも、
ユーザーにとってその広告の裏側に見えるのは、仮面を被った企業でしかありません。
そこで今回は、企業”らしさ”を「人格」と捉え、ブランデッドコンテンツに表されている「人格」を効果的に表現している広告をご紹介します。

①TROPICANA(カナダ/飲料)

タイトル:
Brighter Mornings for Brighter Days, Arctic Sun

内容:
太陽の昇らない街で

 

 


飲料ブランド「Tropicana」がカナダで行ったキャンペーン。
トロピカーナといえば「太陽」に育まれた、フレッシュな果物を使用したオレンジジュースが有名なブランドですよね。

 


キャンペーンの舞台となったカナダのイヌヴィクという都市は、北緯68度にあり、冬になると一日中太陽が昇らない日もあるそうです。
そんな太陽が昇らない都市に、トロピカーナが人口の太陽を作る。

 


ソーシャルグッドであり、トロピカーナにとって象徴的な太陽をキャンペーンに用いることで、ブランドの”らしさ”を表現しています。

②サントリー(日本/飲料)

タイトル:
「BOSS ゴールデンタイム ザ・ドリフターズ篇」

内容:
働く人を応援する

 

 


BOSSの新商品「ゴールデンタイム」をきっかけに制作されたザ・ドリフターズとのスペシャルコラボ動画。
一見新商品のPR動画じゃないの?と思われますが、この動画、紛れもないブランデッドコンテンツだと私は思います。
まずBOSSがこれまでのキャンペーンで積み上げてきた、「働く人を応援する」という明確なスタンス。
そのスタンスがこの動画には凝縮されており、さらに「ゴールデンタイム」という商品名から、かつてゴールデンタイム帯にお茶の間を笑いで包んでいたザ・ドリフターズが組み合わさることで、非常に効果的なメッセージが生まれています。

 


「最高のひと休みを贈りたい」
「働いたら、休んで」
「働いたら、笑って」
「つぎ、いってみよう!」
「働く人に、ゴールデンタイムを」
「ほんとに、ほんとに、ご苦労さん。」

 


最後の最後までザ・ドリフターズのエッセンスを絡めながらメッセージを打ち出すことで、「働く人を応援する」というBOSSブランドの明確なスタンスが”らしさ”を表現しています。

 

沁みますね。

③OSCAR MAYER(USA /加工肉)

タイトル:
Oscar Mayer Introduces the Wienerfleet

内容:
ピリオドの向こう側へ

 

 


これはふざけているんでしょうか?

 


いえ!いたって大真面目らしいそうです!

 


米ソーセージブランドのOscar Mayerは、ホットドッグをデリバリーするために、動画で紹介されている車両を制作しました。

 
 
 

 


さらにOscar Mayerは乗り物だけでは飽き足らず、こんなスーパーヒーローまで作ってしまいました。
これのどこがブランデッドコンテンツなのか?
ますます疑問ですが、こちらの動画冒頭でこのようなメッセージを残しています。

 
 
 
 
「アメリカ国内のソーセージブランドの中で最もアイコニックなブランドとして、他社がいくことのできないところへ向かう。自社の新商品をすべての人の手に届くようにコミットしていく」

 
なるほどね、とはいかないかもしれませんが、要するにこのユーモラスさがOscar Mayerの”らしさ”なのです。
そしてその”らしさ”を中途半端に表現せず、振り切っている点も好印象です。
こんなユーモラスな会社のソーセージを使っているホットドッグ、ちょっと食べてみたくなりませんか?

まとめ

ブランドの人格と言われてもよくわからないかもしれません。

ですが、それはキャラクターだったり、雰囲気だったり、そのブランドしか持っていない何かだったり、”らしさ”なのかもしれません。

でも、そんな”らしさ”が見えるだけで、ユーザーがそのブランドに向き合おうとした時、何か壁のようなものが一枚取れるように感じるのです。

その”らしさ”って、歴史の浅いスタートアップだと難しいんじゃないの?

と思われるかもしれませんが、企業も”人”です。

十人十色という言葉があるように、みんな違います。

そんな”らしさ”を表現できているブランデッドコンテンツは、人間的で親しみが持て、普段の広告よりもユーザーとの距離を縮められるのかもしれません。

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