企画の「き」VOL.15
- #Case study
ただし、今回は一つ前提を設けます。
そしてその前提を元に、正解のコピーを考えてみしょう。
前提
これから出題されるコピーを考えるにあたって、できるだけ具体的な言葉で考えてみてください。
その言葉を見た人が、より想像できるような言葉を使ってみましょう。
問い①
答え
A. 4歳と14歳で
こちらは映画「火垂るの墓」のキャッチコピー。
パッと思いつく言葉としては、「二人で」とか「兄妹で」とか、そういう言葉が出てきますね。
でもこの言葉を、答えの年齢のようにもっと具体的にすることで、映画の背景にある深刻さをより伝えることが可能になっていますよね。
年齢という具体性を使ったコピーによって、映画にずっしりとした重さを与えています。
問い②
答え
A. 18才に泣かされた。
TV番組「熱闘甲子園」のキャッチコピー。
こちらも年齢という具体的な数字を使うことで、一目で光景をイメージすることができますね。
また、「オヤジ」の対比として「18才」があることで、年齢を問わずに人を感動させることができるという訴求もできますし、ギャップが言葉に強さを与えているのではないでしょうか。
問い③
答え
A. ¥498,000
大型スーパーで有名な、イオンが展開している葬儀サービスです。
こちらも先ほどから引き続き、数字を使っています。
右下の小さなボディコピーには、「明朗会計、お葬式も買い物ですから。」と添えられています。
値段に対する圧倒的な自信と、明朗会計という他者との差別化を狙ったコピーですが、とてもインパクトがあります。
そして、明朗会計の言葉通り、具体的で分かりやすいです。
※ちなみに、葬儀費用の全国平均は約127万円だそうです。
まとめ
数字は魔力です。
例えば、「大人」と「50歳」って意味が全然違ってきますよね。
言葉が違えば、解像度も変わってきます。
つまり、その言葉を見て、人はどんな想像をするのかと考えたとき、その光景が言葉の解像度によって変わってくるということなのです。
こう考えると、「だったら数字使いまくればいいコピー量産できるじゃん!」と考えてしまいますが、状況や目的を無視して数字を使うと、台無しなコピーが出来上がるので注意が必要です。
失敗例
「糖度15のいちご」
「肺活量10,000mlの歌声」
「糖度15のいちご」の場合は、確かに糖度15ってすごいのかもしれないですけど、糖度15の甘さというか、凄さが具体的に想像できないですよね。
「肺活量10,000mlの歌声」の場合は、声がでかいだけなのかなというか、歌声の評価基準って肺活量ではそもそも測れないですし、これも想像できないので、数字を使う効果がありません。
ただし、状況や目的に沿っていれば、数字を使うことはとてもメリットがあるので、みなさまも数字を使って楽しいキャッチコピーライフを送ってみてはいかがでしょうか。