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ライブ配信しようぜ!

こんにちは!
リアルイベントを行うのが未だに難しいこのご時世。
右脳事件でもライブ配信のお仕事が増えています。
ただ、ライブ配信と一口に言っても色んな形がありますよね。
そこで今回は、ライブ配信縛りでいくつか事例をピックアップしてきましたのでご紹介します!

①Ural Music Night(ロシア/音楽フェス)

タイトル:ANTYfest

内容:
観客はアリ…?

 

 

 

ロシアの巨大音楽フェス「ウラル・ミュージック・ナイト」の主催者は、パンデミックで多くの被害を受けている業界に注目を集めるため、世界中の音楽フェスを支援する国際的なプロジェクトを立ち上げました。
 ペーパークラフトで作った11のミニチュアステージは、世界の11の音楽フェスで使用されている実際のステージとその周辺の景観を精巧に再現。

 


ステージにはスマートフォンをはめこみ、大型ビジョンに見えるかのような構造を制作。
8,000匹のアリという特別な観客を招待することで、”かつての”音楽フェスの光景を再現したのです。
このアイデアは、どんな音楽フェスにおいてもかけがえのない要素である、観客の精神を再現することでした。
幸いなことに小さな昆虫たちは、ソーシャルディスタンスに従う必要はないですね(!)


このプロジェクトのウェブサイトでは、
実際に「アリ目線」で会場を移動し、さまざまなステージを楽しめるようになっています。コロナによって密集することが難しくとも、「みんなで集まる」ことの楽しさを感じさせてくれる試みに、SNSでは絶賛の声が殺到。「DANTS(ANTS+DANCE=アリろうぜ!)」という掛け声がSNS上で広まりました。
今回の「アリフェス」には、45ヶ国から20万人以上の人々がオンライン参加。20のアーティストがステージに立ち、5時間にわたってアツいフェスを繰り広げ多そうです。

②Madres y Familiares de Uruguayos Detenidos Desaparecidos (ウルグアイ/NGO)

タイトル:Alive in our memory

内容:
声をあげる手段は他にもある

 

https://www.adsoftheworld.com/media/integrated/madres_y_familiares_de_uruguayos_detenidos_desapa

 


コロナ禍の南米・ウルグアイで、「Instagramのライブ配信機能を使用して参加するデモ」が行われました。
1973年から1985年にかけて独裁政権下にあったウルグアイ。
この政権下では197人にのぼる市民が拘留され、行方不明となりました。

 


最愛の人々を探すため、そして真相の解明を訴えるため、ウルグアイでは1995年から毎年、5月20日に行方不明者家族らの組織・Madres y Familiares de Uruguayos Detenidos Desaparecidos(失踪家族の会)による「沈黙の行進」が行われてきました。
しかしこの行進も、2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響によって断念せざるを得なくなりました。

 


そこで通りを埋め尽くすデモ行進の代わりに人々がとったのが、「一斉Instagramライブ配信デモ」。
(一斉というところが肝ですね。)
参加者は会場へ足を運ぶ代わりに、デモの時間にあわせて自身のInstagramのアカウントから一斉にライブ配信を行い、それぞれの場所からデモに“参加”したのです。

 

この施策は80万以上のリーチを獲得し、行方不明者に関する5万件以上のプロフィール写真がアップされました。
さらにこのキャンペーンに関する言及数は10万件以上にも及び、ウルグアイ国内のトレンドトピックに、さまざまなメッセージが飛び交ったそうです。

③Tourism Yukon(カナダ/観光局)

タイトル:Midnight Sun Stream

内容:
太陽を移動させる

 

 

 


夏季には日照時間が1日のほとんどを占め、太陽が沈まない白夜になることで知られるカナダ北西部のユーコン準州。
この太陽の様子をライブストリーミングする屋外広告を、ユーコン観光局がバンクーバーに掲示しました。


バンクーバーで午後11時から午前1時までユーコン準州の空の様子をライブで撮影し、リアルタイムで屋外広告に反映。
日がすっかり落ちたバンクーバーの街中でも、飛行機で2.5時間、緯度がほぼ同じユーコン準州では、太陽が鮮やかに光り輝いているという様子を実感してもらう取組みです。


このライブストリーミング広告は2週間のキャンペーン期間中、バンクーバーにある約2,000のデジタルサイネージに掲出されました。
バンクーバーからの観光需要喚起を狙ったこの広告。
担当するクリエイティブディレクターは、深夜の太陽を撮り続けて中継するカメラマンのリクルートに苦慮したそうです。

まとめ

今回の事例に共通すること、それは

WHY・HOW・WHAT

がしっかり噛み合ったクリエイティブが行われているということです。

なぜやるのか?どうやって?何を?という基本的な要素が事細かに精査されているおかげで、施策の強度が高まっています。

最後のユーコン観光局を例にすると、

ユーコンの観光需要を高めたい(WHY)

OOHにLIVE配信する(HOW)

現在進行形の沈まぬ太陽を(WHAT)

という非常にシンプルな構造が見えてきます。

シンプルが故に、強いクリエイティブが出来上がっているのです。

ブランドパーパスを考えるときのゴールデンサークルみたいですが、色んな考え方に適用できますね。

※ブランドパーパスについては、広告勉強会VOL126で紹介しています

そして配信と一口に言っても、今回の事例のように媒体は様々です。(デジタルOOHでの配信やってみたい)

今やYouTubeだけでなく、Facebook、Instagram、TikTok、Line、Twitchなど様々な媒体がありますが、その特性もそれぞれ異なります。

それぞれの特性を見極めた上で配信することで、より効果を最大化させることができるということも、今回の事例を考察するとよく分かります。

今やライブ配信は世に溢れかえっていますが、そんな多くのライブ配信の中で埋もれない為にも、過去の事例から学べることがまだまだ沢山ある、と思った次第でした。

皆さんのご参考になれば幸いです。

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