新春プロモーションレポート2023
- #Case study
いま、企業は私たちに何を問いかけ、どこを目指しているのでしょうか?
そんな各社の決意がにじむ「お正月広告」の内容に迫ります。
事例1 アシックス「METASPEED」
ここ数年間の選手着用率100%をナイキ1社が独占してきた箱根駅伝。
しかし、アシックスは今年「METASPEED」を24名の選手が着用し、11%のシェアを獲得。
駅伝がはじまる1月2日に合わせるかたちで、TVCM等のプロモーションを「ブランドメッセージ広告」として打ち出してきました。
キーコピーの「こんなもんじゃない。」は、選手たちのマインドを象徴するものですが、
それは同時に、アシックスが次回の大会に向けた「さらなる反撃の狼煙」のようにも感じられました。
事例2 SEIKO「希望のうさぎプロジェクト」
「ブランドメッセージ」よりも「ギミック」に
作り手のこだわりが感じられるプロモーションです。
1月1日0時0分の時報と共に、銀座和光ビルのシャッターがオープン!
立体映像で表現された「希望のウサギ」たちがショーウィンドウ内を走り出しました。
やがてウサギたちは銀座の街を飛び出し、”あなたの元”へとやってくる・・・
翌朝の新聞広告に添付されたQRコードで特設サイトにアクセスし、紙面を読み取るとARが起動。
新聞の上をうさぎたちが飛び回る演出と共に、そのうちの1匹があなたに「希望のうさぎくじ」を
届けてくれるのです。街とバーチャル、新聞広告を連動させて、
「日本中を希望でつなぐ」イメージを体現したとのことです。
事例3 トヨタ「年初に読むべきトヨタイムズ記事10選」
大小の見出しとQRコードのみで構成された大胆な構成。
世界中の極端なまでのEVシフトに対し、ハイブリッドカーや水素自動車、BEVを組み合わせた
「全方位戦略」で日本の自動車工業を守り、世界で戦っていくという強い意思を感じさせます。
見出しだけでも、そうした重要なテーマを推測することはできますが、
具体的な内容はすべて過去のアーカイブに飛んで読ませるという割り切った戦略をとっていました。
まとめ
①
TVCMは、お正月の”購買行動”を喚起するための
直接的なアピールが目立ち、企業ブランディングCMは
以前に比べ、縮小している印象を受けた。
②
一方、企業姿勢を表明する場としての新聞広告は健在。
QRコードからブランドサイト等に誘導する仕組みも定着しており、
その先にある「読み物」や「動画」をワンセットで
楽しんでいただける内容が目立った。
③
お正月広告は、派手な「メディアミックス」よりも
新聞やWEBの「活字媒体」へと回帰する傾向が見受けられた。