COVID-19に立ち向かう PART5
- #Case study
皆さんそろそろ飽きてきたのではないでしょうか?
気持ちは分かります、私も若干飽きてきました。
シリアスで共感できるプロモーションは人々の心を動かします。ですが同じようなプロモーションばかりだと少し疲れてきますよね。シリアスではなく面白いもの、もっと言うとふざけてるもの。そんなコロナ関連のプロモーション、果たして存在するのでしょうか?
そこで今回は、右脳事件の広告勉強会でも度々登場するみんな大好き(岡田だけ?)、バーガーキングのプロモーションに注目してみたいと思います。
あのふざけ倒したプロモーションでおなじみのバーガーキングは、このコロナ禍の今、一体どのようなプロモーションを行っているのか、それでは観ていきましょう!
①Buger King(ベルギー/外食)
タイトル:
Stay Home
内容:
ベルギーのバーガーキングが行った、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)啓蒙キャンペーン
いつもは「HOME OF THE WHOPPER(ワッパーの家)」と綴られている看板に「STAY」の文字を追加、さらに「OF THE WHOPPER」に取り消し線を引き、「STAY HOME(家にいろ)」というメッセージに変えたバーガーキング。
こちらはバーガーキングがコロナ禍に打ち出したファーストプロモーションですが、まさかのシリアスです。
シンプルすぎるほどシンプルですが、自宅待機による売上減よりも、顧客の安全を祈る力強いメッセージが込められているメッセージ。
普段は過激ともいえるメッセージの「煽り芸」で有名なバーガーキングですが、有事に際してもストレートに強く呼びかける姿勢は変わりません。いつもはふざけてるけど、いざと言うときにはまともというギャップを強く感じます。まるで更生したヤンキーのようですが、こんな時にこそ企業の本質が現れるのかもしれません。
②Burger King(USA/外食)
タイトル:
Stay Home of the Whopper®︎
内容:
家にいてアプリで注文するだけでヒーローになれる…?
あなたがお店に行く代わりに、バーガーキングはデリバリーします。
10ドル以上のご注文で、配達料は無料です。
あなたが家にいることで、あなたは地域の人たちを救うのです。
カウチポテト族ではなくcouch po ta triots(カウチポテトリオット?)になれるのです。
メッセージは至ってシリアス。
ですが映像のテイストがふざけ出していますね。
(いいぞバーガーキング)
とはいえこんな時なので、もちろんソーシャルグッドな試作も忘れてはいません。
バーガーキングは、商品の配達だけではなく、看護師たちにサンドイッチを寄付しているそうです。
さらにアプリを使って医療従事者のためのクーポンを発行したり、寄付を募ることもしているようです。
さすが更生したヤンキーはいざという時頼りになります。
③Burger King(南アフリカ/外食)
タイトル:
Lockdown Whopper®︎
内容:
あえて隠そう
全てのレストランが閉鎖された厳しいロックダウンの間、
お気に入りのファストフードが食べられない状況で
バーガーキングが打ち出したプロモーションはなんと、
セルフで商品を検閲するというものでした。
ワッパーが食べたくて仕方ない、そんな抑えられない欲求を抱えるユーザーに対して、
あえて商品にモザイクをかけてしまう。
バーガーキングらしい皮肉の効いたプロモーションです。
しかし隠されると余計に気になってしまいます。
そんな人間の真理をついているという意味でもエッジが効いている
プロモーションなのではないでしょうか。

④Burger King(USA/外食)
タイトル:
QR Whopper®︎ campaign
内容:
無料ワッパーのキャンペーン
バーガーキングはQRコードを活用したテレビCMを放映。
CM内に表示されるQRコードをスマホでスキャンすると、
アプリを通じて次の購入の際に無料ワッパーをゲットすることができるようにしました。
しかし動画の通り、QRコードは画面内で動き続けるため、
スキャンするには視聴者にも素早さが求められます。
その方法を説明するため、キャンペーン発表の前日に公開された動画が上記のものです。
もちろんこの動画のQRコードでは、無料ワッパーはゲットできません。
説明動画のQRコードをスキャンすると、
「それほど簡単ではありません。家でテレビをつけて、チャンスを待ってください」
というメッセージが表示されるようになっています。
このキャンペーンは、アラスカとハワイを除くアメリカ本土にて実施。
合計で1万個の無料ワッパーを提供する予定です。
外出自粛にゲーム性を持たせ、少しでも“おうち時間”を楽しいものにしたかったというバーガーキング。
このような、自宅でも参加できる遊びが取り入れられたCMは貴重です。
⑤Burger King(イタリア/外食)
タイトル:
Social Distancing Whopper®
内容:
相手との距離を保つことのできるワッパーの秘密
緊急事態宣言が解除されたり、ロックダウンが緩和しても、
人と人との距離感はすぐにこれまでと同じように戻してはいけないようです。
まだ警戒が必要だということですね。
こちらはその意識があっても、相手が無神経だと台無しです。
そこでこのワッパー。
具だくさんで美味しそうなワッパーですが、
通常のワッパーと違う点がひとつ。
タマネギの量が通常の3倍。
タマネギとソーシャルディスタンス、何の関係があるのでしょう。
それは、ニオイ。
3倍のタマネギが入っているワッパーを食べれば、
口臭がきつくなります。
このワッパーを食べて強烈な口臭を手に入れれば、
無神経な相手もさすがに遠ざかると。
甚大な被害が出たイタリアのバーガーキングによる、
斜め上をいくアイデアでした。
まとめ
先週の広告勉強会で話題に挙がりましたが、アフターコロナの広告はどうなっていくのか。
考えても中々結論が出ません。
しかし自粛自粛でシリアスで大人しい広告ばかりでは、疲れてしまいます。
国内でも関西電気保安協会のCMがバズるなど、こんな世の中だからこそ、少しクスッと笑ってしまうような、
気分を紛らわせてくれるようなCMが受け入れられているようです。
個人的には消臭力のCMも好きです。最後の一言が素敵。
しんどい世の中に、一服の清涼剤を、とでも言いましょうか。
とはいえ広告主も視聴者も保守的になってしまうのも事実で、実現は中々難しいものがあります。
ですが一視聴者として、こんな時にふざけられる企業は好きです。
シリアスで真摯なメッセージも素敵ですが、ふざけたことは笑えるし、難しいこと考えず元気になれます。
アフターコロナの広告はどうなっていくのか分かりませんが、このようなふざけた広告も観たいなと個人的には思います。
しんどい空気をぶち壊すために、あえて空気読まない。そんな広告も素敵です。